毎年200回以上の場づくりを行う私たちhome’s
viが「私たちが学ぶための学校」として、最も学びたい5名の講師を招いた「場づくりカレッジ」。第2講の講師としてお迎えしたのはコミニュティーファシリテーション研究所代表の廣水乃生さんです。「葛藤」「対立」刺激的な言葉が並ぶ本講座。私自身、開催前から廣水さんの講座におびえていました。はたして今回の講座は刺激的なものになっているのか?開催レポートをお届けしようと思います!
「何かがこの講座で起こるのではないか。」ざわざわした雰囲気で始まった場づくりカレッジ第2講。最終日、新たな知見を得て興奮する人、もっとコミニュティーファシリテーションについて学びたい人、ギラギラしたものが消化して燃え尽きた人それぞれがこの講座から感じ取った、燃え盛るような熱で会場が満たされていました。それぞれが自分と向き合い冒険していった2日間に何があったのでしょうか。
コミニュティーファシリテーション研究所代表。 東京学芸大学大学院教育学研究科終了後、7年間教師を務める。教育を通して人と人のつながりの大切さを感じ教職を退職、米国プロセスワーク研究所にて葛藤解決・組織変革ファシリテーションマスターコースを修了。帰国後コミニュティーファシリテーション研究所を設立。現在、個人の自発性グループの協働性を高めるために組織変革ファシリテーターとして企業・行政・NPO・NGOなどの多岐にわたる組織、現場に関わっています。数学教員をされていた背景から論理的に話を展開し、場づくりという抽象的概念を一つ一つ丁寧に紐づけていく講義は聞く人をコミニュティーファシリテーションの世界へ引きずりこみます。
1日目の朝、円座になって自己紹介とこの場に期待することを(1人1分程度)で話しました。プロセスワークについて学びたい人、教育実習をきっかけにファシリテーションについて学びたい人、廣水さんの場への介入の意図を探ってやろうとギラギラしている人、場にはざわざわした雰囲気があり、よどみがあるエネルギーが溜まっていました。
「A dream you dream is only a dream.
A dream you dream together is reality」
「一人で見る夢は夢だけど、みんなで見る夢は夢じゃない」
廣水さんがご自身の活動を説明している際に現れた言葉が印象的でした。この言葉はOno Yokoさんが語られた言葉です。多様な人たちが集まった時に対立・葛藤が生まれどうとらえたらいいのか。対立・葛藤の先に現れる融和した美しい事象・事物が創造できる力を人間は持ち合わせることを示した言葉でした。
午後は自己の対立・葛藤の向き合い方(エッセンスワーク)と葛藤・対立が起きている場では何が起こっているのか、場をどう取り扱うのか、組織で起こっている事例を取り上げて学びました。その中で場の見立てかた(場で何が起きているのかの認識)についてロールとゴーストロールという概念を学びました。実際にゴーストロールが場に現れたとき参加者さんの表情の変化や姿勢、雰囲気の違いが体から発せられるシグナルとして感じ取れました。
ロールとゴーストロール
ロール:場のエネルギーの非個人的なエネルギパターンのこと
ゴーストロール:その場には物質的に存在していないがその場のエネルギーに関わっているもの。その場に長期的にわたってプレッシャーを加えます。
1. コミニュティーファシリテーションでは場のエネルギーを適切にとらえること。
2. その場に存在するゴーストロールを表の場に出現させること。
3. ゴーストロールを表に出現させることによって、場(個人、組織)の“気づき”“変容”につなげていくこと。
このプロセスによって葛藤・対立する状況を融和、変容する組織に導いていきます。 1日目の終わりはすごいものを学んでいるけれど、抽象的な概念としか落とし込めず、やりきれなさが残っている雰囲気がありました。ただそれは、無力感からくるやりきれなさではなく内なるエネルギーを爆発させたいというエネルギーに満ちたものでした。
2日目は円座になり昨日の感想を話し合うことから始まりました。ロールモデルに参加したいが踏み出せない、だけど1歩踏み出してみたい人、昨日抱えていたやりきれない思いを爆発させたいと語る人、一人一人の視点からそれぞれの思いを話しました。
午後になり場の雰囲気が動き出します。今までは廣水さんがメインファシリテーターを務めていましたが、廣水さんから参加者へファシリテーターがバトンタッチされます。今まで学んできた知識を場に体現させるごとく場が一つの方向へ向かいます。コンセンサスをとる難しさや混沌とした場をどのようにして展開させていくか、いろいろな難しさがありましたがやりきれない思いが昇華し、体の中に落とし込まれていく美しさがありました。
2日目も佳境になり最後のロールモデルが展開されます。
「前線に立ってお金を稼いでくるけど、片付けられない凸凹プレーヤーとその尻拭いをさせられる事務局(サポーターとプレーヤー)の対立構造」をテーマにロールモデルをしました。ロールモデルの立場が自分に投影し、涙を流しながらサポーターに思いを語る場面。写真はプレーヤーがサポーターに対してもう一度だけ一緒にやっていこうと涙を流しながら手を差し伸べる場面です。場で何が起きているのか。どのようにしたら気づき・変容に導いていくのか。廣水さんが場を解説しながら介入し融和していく場の変化に場が興奮した雰囲気に移り変わります。
2日目の最後、小グループになって今回の講座の振り返りをしている時、ある経営者の方が 「今回で廣水さんの講座は3回目になるけれど、やっと講座の内容が理解できて廣水さんが考えている意図を考えられるようになりました。」 とおっしゃっていました。
場づくりカレッジから学ぶものは人それぞれ異なります。どこにシンパシーを感じるのか初めて学ぶ用語や前提知識が難しい講座でしたが、一人一人が学んだことを持ち帰ることができた場づくりカレッジ第2講でした。
「あなたにとって最高のファシリテーションとはなんですか。」
そう問われたときにあなたはなんと答えますか。
具体的な答えはありません。
服装、髪型、考え方は一人一人の個性があり違います。ただ、その個性の根底には何らかの意図(エッセンス)が介在し私たちの行動に結びつきます。 A・ミンデル(プロセスワークの先駆者)さんが
自分の人生に起きたすべてを足し合わせるとそれがあなたのエッセンスです。そのエッセンスに向かって生きるようになればそれがあなたにとって最高のファシリテーションです。
葛藤・対立と聞くと組織やグループの中をイメージしますが、個人の中にも多面的な自分と戦い生まれる葛藤・対立が存在します。その葛藤・対立とどう向き合い自分の中のエッセンスを見つけていくのか、生きていく上で大切なことを学んだ2日間でした。
第1講は場づくりを開催する前の「場の設計」ついて学びました。第2講は実際に場が始まった時の「目に見えない場の空気」とどう向き合うかがテーマです。ファシリテーターとして場で何を見、何を聴き、どう関わるのか。特に参加者同士の対立や葛藤が顕れてきた時にファシリテーターの力量が問われます。
今現場に立たれていて、ファシリテーターとして悩みを抱えている方に是非とも受講していただきた講座です。
第2講は終了しました。
Written by homes' vi internship 岩井祐樹
一般 | 38,000円(税込) |
NPO(専従の方) | 33,000円(税込) |
学生(23歳以下) | 28,000円(税込) |
※割引について 場づくりサミット(7/31開催)に参加した方は、場づくりカレッジ参加費が各3000円引き。全講座参加予定の方には まとめて割引が適応されます。一般枠:160,000円 、NPO枠:150,000円、学生枠:120,000円となります。 |
NPO、学生の方は、通常料金よりも割引してご案内しておりますので、イベントページの周知など、広報面でご協力頂ければ幸いです。
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