昨年に続き、今年度の「場づくりカレッジ」も全5回の講座に通ってくださっている茶原忠督さん。茶原さんは、スノーボード界ではその名を知らない人はいないほど活躍されていた方で、体験学習をベースにした様々な研修事業を手がける経営者でもあります。そんな茶原さんがどうしてカレッジに通いつめるのか? どんな学びの期待があるのか? 今回はそんな場づくりカレッジの魅力を語っていただきました。
前半は場づくりカレッジを受講した感想、後半は場づくりカレッジの魅力について、私たちを応援してくださる素敵な茶原さんのことも読者の皆さんにご紹介しつつ、たっぷりお届けいたします! 写真は、毎年開いている感謝祭での一コマ。沖縄に出向するスタッフ荒川をわざわざ見送りにきて下さいました。
こんにちは、茶原です。平成元年、当時私が22歳の頃、北アルプスの圧倒的な迫力と雄大さに魅了され、長野県白馬村に移り住みました。その後パラグライダーの指導者、スノーボードのプロとして、スクールの校長として、長い間アウトドアの世界で生きています。
プロを目指す過程で、また日本のトップの座に立ちながら厳しい闘いなどを経験した中での様々な試行錯誤の結果、主体的な取り組みや、物事を自分事として捉えること、また個人スポーツであってもファンやスポンサーなどたくさんのサポートがあってこその結果など大きくたくさんのことを学びました。
私どもが行うスクール事業では自然と触れあうこと、切磋琢磨し健全な心と身体を根本姿勢とすることを大切にしています。アドベンチャーパークの運営では一歩踏み出すチャレンジから得られる気づきを。研修事業では人と人のふれあいから気づく様々な学び。これらをベースとして、1人1人の人間力を高めることにより、社会を元気にしていきたいと考えております。
組織は個の集まりであり、すなわち個々の健全な成長と、個と個の関係の質を高めることが組織を、ひいては社会を変えるものと信じており、それが社名であるソウルメイトの使命だと考えております。
安心安全の場において、「これぞしあわせ!」と体感出来る人と社会を作るべく、そして社名のとおりソウルメイト(魂の友)の連鎖が広がり続けることを我々のミッションとして社会に貢献します。
それでは、そんな茶原さんのインタビューをご紹介していきます。これは、場づくりカレッジ第三講の小見まいこさんの講座が終了した時に、企画者の丹羽が伺ったインタビュー記録です。それでは、どうぞ!
丹羽:今日の第三講の感想はどうでしたか?
茶原:もうお腹いっぱいという感じ。知識、心(在り方)、実践、3本だてをあきる
ことなく味わいました。鍛えられたなって感じがします。場に現れていることを感じ取るのが大事で、字に書くよりも、文脈、エネルギーを集約して分類して行く作業が、どういうプロセスなのかが論理的に分かりました。「busy5」というグループで、ともに大きなプロジェクトに取り組んだことのある小見さんが主になって創り出す場の雰囲気を初めて体験したのですが、温かくて、ゆっくりした感じで。あれこそ安心安全の場だなと思いました。
丹羽:技術的な面での学びはどうでしたか?
茶原:すぐに実践できるお土産を貰えた感じです。例えば、アイコンの使い方、ペンの持ちかた、囲み方なども。これから鍛えて行くファシグラ技術、集約分類は、トレーニングしていくしかない。踏み出ししつづけて体験し続けて上達するしかないですね。何ごとも魔法の杖はないので、トレーニングの仕方を、実践まじえて伝えてもらったと思っています。
丹羽:場づくりカレッジを受講した感想をお願いします。
茶原:何よりも、場づくりカレッジ全体の構成が素晴らしいと思いました。ファシリテーターとしてのあり方や場の見守り方、が大きいテーマだと思います。第一講の中野さんだけでも凄い講師で、手法や実践経験、そのあり方もメッセージが込められていて、お腹いっぱいに味わいました。印象に残った言葉は、「フィードバックっていう言葉の意味は、種をあげたり、えさをまいたり、水をあげたりっていうことなんですよ」と、あえて愛をもって、厳しいことも伝える。出来事をお返しするという意味が深まりました。
第二講の廣水さんの回は、3回目の参加で、だからこそ中野民夫さんが言っていることが連鎖しているのだと、ようやくその意味がわかりました。AかBかCかじゃなくて、AもBもCもという、その心がけが場に影響する。エルダーシップはまさにファシリテーターのあり方に深く関わる部分でもある。手法も学びにきているけれども、それを知ること、探求することの重要さに深く気づきました。
第三講の小見さんの回は、「ファシリテーション・グラフィック」という手法をつかって、第一講、第二講で言っていたことが、水が垂直方向に行くようにつながりました。
第四講の由佐さんの回への期待は、「u理論」で自分のあり方を下がって行くこと。自分の過去の経験から、心理学を深く学んだことでコアビリーフに気づき、以前の自分自身がとっていた顕在的なリーダーシップに気づいて、自分が変わってきた認識があります。それって何なのか? あり方が変わって行く気がしている。器のようなもの。気づかないことで人をサポートする。違っていていいんだって認める。それをずっと探求しています。自分と向き合うテーマ。4回目でどーんと深い気づきがあるんじゃないかと思っています。
「きっとあるはずだ!」、と期待しすぎないようにしたいと思っていますが。
第五講の橋本さんの回への期待は、「からだで味わうはなしの聴き方」というテーマから、話を聴く原点に戻りたいと思いました。心理カウンセラーになった今でも、昔の自分の聴き方に引き戻される時もあるので。そこに集う人達と触れることで、新しいことにチャレンジしようと思います。ワークショップファンでもオタクでもないけども、自分の器の成長の為に見てみたいですね。
丹羽:茶原さんから見て、場づくりカレッジの特徴や魅力を教えてください。
茶原:どの講座も二日目に丸一日、参加者が実際に場を作ってみる「ホスティング・チャンス」をやったことが大きかったです。全部やったけれど、頭でわかるだけじゃなくて、アウトプットして行く作業が本当に必要ですね。そのなかで、自分で気づくことがあります。それを含めた参加者として、ファシリテーターとして、自分をスキャンする瞬間がたくさん現れます。それが自分のトレーニングになります。それを感じされてくれる場でした。
参加者どうしも回数を深めるごとにお互いに理解が深まっていきます。今自分にとって苦手なひとと向き合うことが小さなテーマなんですね。参加することが自分の中で、まだ話せていない参加者と積極的に関わるよい機会になります。緊張感を感じるときに、そこを越えて話してみると人との関わりが変化して行きます。それが社会への関わりにもなります。
丹羽:他の講座やセミナーと違うところって、どのあたりなのでしょう?
茶原:先ほども述べましたが、場づくりカレッジ全体の構成ですね。
あと、講師陣が日本のトップクラスですね。自信をもってチョイスした講師陣が意味をもって登場してきます。これは全部受けるべきだと思います。ピースが欠けると、未完成なまま行くような気がしています。5つのピースが埋まったときに得られる何か、気づきや成長が見えてくるものがあるのではないかと思います。
丹羽:カレッジ全体を通した今のところのご自身の変化はありましたか?
茶原:例えば、今日は自由に参加者に拡散させるところとファシリテーターの権限をしっかり使うというバランスの取り方が以前よりも強化された気がしています。聴く力とか、間や沈黙のある空間をより恐れなくなりました。「言葉で出てこない、どうしよう」とか、「ファシリテーターが何とかしないといけない」、という意識を以前よりずっと手放せるようになってきました。強制的にまとめるとかも。あくまで物事を実行して行くのはその人達自身であり、そこさえもきっと今日の場は意味があるに違いない、と信じて見守れるようになりました。
丹羽:茶原さんから見たホームズビーの印象を教えてください。
茶原:実践集団でしょうか。一番は、企業変革「busy5」と自分たちで名付け、嘉村賢州さんと共に2つのプロジェクト一緒に取り組んだ経験から、彼のファシリテーターとしての圧倒的なすごさを感じました。飽くなき探究心とか、凄く刺激になりました。ファシリテーションが、社会、組織のためにつながることを感じさせてもらえました。私は、体験学習が専門で、「組織のなかでパフォーマンスが低下する仕組みをなくせればいいな。メンタルヘルスの問題に悩む人がいなくなればいいな」くらいからはじまったのですが、嘉村賢州さんと一緒に仕事をすることで、ファシリテーションの適用範囲が広がってきました。自分は何でも吸収する力を持っているので、何がきても受けてみたいなと思っていますよ。
茶原 忠督 (ちゃばら ただよし)
1966年11月8日生まれ
有限会社ソウルメイト代表取締役
神戸スカイアドベンチャーすずらん マスタートレーナー
心理カウンセラー
プロジェクトアドベンチャー 「アドベンチャープログラミング」講習修了
同 「アドベンチャーベースドオンカウンセリング」講習修了
白馬岩岳スノーボードスクール代表(白馬岩岳スノーフィールド)
佐久スキーガーデンパラダ La Chabaスノーボードスクール代表
(佐久スキーガーデンパラダ)
JSBA(日本スノーボード協会)公認 第1期、3,4,5,6期デモンストレーター
JSBA公認 A級インストラクター、A級検定員
主なリザルト
名滑会認定デモンストレーター
2000年JSBA全日本デモンストレーター選考会 トップ認定
2004年JSBA全日本テクニカル選手権大会 優勝
2006年現役を引退するまで表彰台に立ち続けた。
アウトドアと教育をメインスタンスとし、茶原自身がスノーボード日本トップの世界で培った人生経験を活かし、夏はアドベンチャー教育プログラムをベースとした企業研修(各種階層別、テーマ別、スキル別、組織開発、組織変革プログラム)、チームビルディングや講演など非日常、非連続、未知の体験を活かしての研修事業に取り組む。
冬は長野県(白馬村、佐久市)にて2つのスノーボードスクールを営む。
茶原さんが運営されている「神戸スカイアドベンチャーすずらん」は、home's vi の合宿でも使わせて頂きました。自然に囲まれた中で、たくさんのアスレチックがあって、ほんとにもう童心に帰れますよ。
この時は、茶原さんがファシリテーターになって頂き、様々なアウトドアの体験をして仲間と助け合ったり、沢山の気づきを茶原さんに引き出して頂きました。ふだんの合宿では頭で考えることが多かったのですが、体を使って五感を使うプログラムによって、いつもとは全く異なる気づきが出たり、home's viメンバーの関係性がぐっと近づいた思い出があります。機会があれば、こちらもぜひチェックしてくださいね!